ヒダサンショウウオHynobius kimuraeは、中型のサンショウウオの仲間で、最大は全長18cmほどです。数値でみると小さいと思われますが、実際に山で出会うと、その貫録に圧倒されます。そのため、「30pぐらいのサンショウウオを見た!」と噂を聞くことがありますが、大抵は15pほどです。
ヒダサンショウウオは、県内で最も個体数が多い種と考えられ、標高1000m付近やそれ以上の山地で出会うサンショウウオの多くは本種です。体色は地域によって異なりますが、静岡県のものは比較的暗色です。捕獲・撮影された個体の種の同定依頼は、県内のサンショウウオ類の分布調査に役立ちます。多くの方のご協力、ありがとうございます!
静岡県には、その他、アカイシサンショウウオHynobius katoiとハコネサンショウウオOnychodactylus japonicusが生息していますが、これらを含めた3種は静岡県の希少野生動植物保護条例において指定されていないため、捕獲や販売、飼育が可能です。しかし、近年、生息地の破壊や獣による捕食により、サンショウウオ類の生息数は減少していると思われます。飼育や繁殖が難しいため、設備が整っていない場合は無理に持ち帰らないようにしましょう。
※2015年現在、爬虫類両生類ではアカウミガメCaretta caretta のみ静岡県希少野生動物に指定されています。