静岡県の山で出会う確率が高いのは...ヒダサンショウウオ!

ヒダサンショウウオH.kimurae.静岡県.静岡大学加藤英明HideakiKato.ShizuokaUniversity.jpg

ヒダサンショウウオHynobius kimuraeは、中型のサンショウウオの仲間で、最大は全長18cmほどです。数値でみると小さいと思われますが、実際に山で出会うと、その貫録に圧倒されます。そのため、「30pぐらいのサンショウウオを見た!」と噂を聞くことがありますが、大抵は15pほどです。

ヒダサンショウウオは、県内で最も個体数が多い種と考えられ、標高1000m付近やそれ以上の山地で出会うサンショウウオの多くは本種です。体色は地域によって異なりますが、静岡県のものは比較的暗色です。捕獲・撮影された個体の種の同定依頼は、県内のサンショウウオ類の分布調査に役立ちます。多くの方のご協力、ありがとうございます!


静岡県には、その他、アカイシサンショウウオHynobius katoiとハコネサンショウウオOnychodactylus japonicusが生息していますが、これらを含めた3種は静岡県の希少野生動植物保護条例において指定されていないため、捕獲や販売、飼育が可能です。しかし、近年、生息地の破壊や獣による捕食により、サンショウウオ類の生息数は減少していると思われます。飼育や繁殖が難しいため、設備が整っていない場合は無理に持ち帰らないようにしましょう。

※2015年現在、爬虫類両生類ではアカウミガメCaretta caretta のみ静岡県希少野生動物に指定されています。
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静岡市で絶滅の危機!ニホンアカガエルを守ろう!

絶滅危惧静岡市ニホンアカガエルRana japonica.jpg
(上陸個体の放流)

静岡市では、絶滅危惧種であるニホンアカガエルの生息地が残り1箇所となりました。個体数は少なく、卵塊数は20前後…その土地ですら、開発の魔の手が迫っています。

絶滅危惧静岡市ニホンアカガエルR.japonica放流.jpg静岡大学教育学部加藤研究室では、ニホンアカガエルを守るために保全活動を行っています。
生息地を守るとともに、卵を採集して幼生を研究室で育て、変態・上陸した個体を元の生息地に戻します。

現在、全国各地で、開発によるカエル生息地の消失が進行しています。
カエルたちが棲む土地を守り、個体数の底上げを図る必要があります。

<卵採集時の注意>
遺伝的な偏りが起きないように、各卵塊から少しずつ卵を採集しましょう!
※開発のための代替地への移植は禁物です!

ニホンアカガエル
静岡県レッドリスト:絶滅危惧U類(Vulnerable, VU)
          絶滅の危険が増大している種
環境省レッドリスト:掲載なし
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アカイシサンショウウオの個体変異

静岡県には、西部から中部にかけてアカイシサンショウウオが広く分布しています。多くの個体を比較してみると、体色が濃かったり薄かったり、体に銀色の斑紋があったりなかったり…
この違いは、環境や食べ物による影響ではなく、雌雄による違いでもなく、成長の過程や繁殖期に変化するものでもないようです。野外では、隣り合った石の下で体色の違う個体が見つかるため、地域変異でもなさそうです。
DNAの違いは…
少しずつですが、調査によってアカイシサンショウウオの秘密が明らかになってきました。
アカイシサンショウウオHynobius katoi個体変異individual variation.jpg


※サンショウウオは温度管理の他にも偏食や拒食などがあり、飼育が難しい生き物です。山で出会っても、そっと見守ってあげましょう。

アカイシサンショウウオ
静岡県レッドリスト:絶滅危惧TB類(Endangered,EN)
環境省レッドリスト:絶滅危惧TB類(Endangered,EN)
IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
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