たくさん増えても…メダカを放流してはいけません!

ヒメダカ.Oryzias latipes.加藤英明.jpg

観賞用または理科の教材として飼育されるメダカですが、実際は産地が不明なものばかり。
そんなメダカが私たちの身近な川に入り込むと、遺伝子汚染を引き起こしてしまいます。
改良品種のヒメダカも、野生種のクロメダカも、一度飼育したメダカを野外に放すことは禁物。最後の1匹まで大切に飼育してください。

メダカを保護する場合は、生息地の環境を改善することが最優先です。自然環境の中で、土着のメダカを増やしてあげましょう。
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メダカにそっくり!特定外来生物カダヤシに要注意!識別方法

カダヤシGambusia affinis. 加藤英明. 静岡大学.jpg

身近な川や池で見かける小さな魚。メダカだと思っていたら…外来種のカダヤシだった!ということが多々あります。

カダヤシは、北アメリカ原産の淡水魚。日本には1913年に、“蚊の幼虫の駆除”を目的として移入されました。繁殖形態は卵胎生。卵は体内で育ち、メスは1度に100匹以上の子どもを産みます。成長は速く、同年、または翌年には性成熟に達して繁殖するため、定着すると爆発的に増殖してしまいます。

本種は全長4pほどで小さく、形態は日本のメダカに似ています。野外で捕まえたカダヤシを生きた状態で持ち帰ったり、飼育したりすると、外来生物法違反となりますので、注意が必要です。
※2006年に特定外来生物に指定
罰則は最高三年の懲役、または三百万円以下の罰金


<メダカとの見分け方>
尾びれ:メダカは角ばっているが、カダヤシは丸い
尻びれ:メダカは幅が広いが、カダヤシは幅が狭い(オスは棒状)
背びれ:メダカは体の後方にあるが、カダヤシは体の中央近く
カダヤシG. affinis. メダカとの違い比較.jpg

報道:恐怖!夏休み川で捕まえた生きものが危険な特定外来生物だったら!TBS,噂の東京マガジン(2016年8月21日)


カダヤシGambusia affinis
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合IUCN)
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会)
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静岡市麻機遊水地の外来生物ライギョ!カムルチー

静岡市麻機遊水地カムルチーChanna argusライギョ1.静岡大学加藤英明HideakiKato.jpg

麻機遊水地には、外来種のライギョが生息しています。本種は1923年頃に国内に持ち込まれ、各地の川や池沼に広がりました。1960年代には静岡市麻機の沼池で数多くみられようになりましたが、近年は減少傾向にあると考えられます。その原因は、水環境悪化の他、餌となる在来生物の減少が考えられます。

麻機遊水地では、在来生物を守るため、学識委員やNPO団体、地域住民、国、静岡県、静岡市などによって構成された麻機遊水地保全活用推進協議会により、自然再生が試みられています(自然再生推進法平成14年法律第148号第8条の規定により自然再生協議会を設置)。

外来種であるライギョは魅力ある魚で、飼育愛好家や釣り愛好家に親しまれています。しかし、自然再生の場である遊水地では、ライギョの他、タイリクバラタナゴやコイなどすべての外来生物が防除の対象となります(今後、釣り用区画が設けられて管理すれば問題ない)。


<ライギョの消化管内から得られたフナ類>
静岡市カムルチーChanna argusライギョ.被害.静岡大学加藤英明HideakiKato.jpg外来種は、豊かな自然生態系に入り込むと爆発的に増えますが、大食なため餌不足に陥ります。その後、個体数は減りますが、わずかに残った在来種の数が増えると、再び数を増やします。外来種が在来種を押さえつけてしまうので、外来種を取り除かなければ豊かな自然は戻りません。しかし、そこに再度外来種が放されてしまうと、同じことの繰り返しです。

ライギョは、人為的な移動の他、生息数の増加や分布の拡大が進めば、特定外来生物に指定される可能性があります。今後は、愛好家の終生飼養はもちろんのこと、釣りなどレジャー用に管理された水場で本種を楽しむことが必要となるでしょう。
「まだ特定外来生物ではないから大丈夫!」と考えず...魅力あるスネークヘッド類との適切な関わりが早急に求められます。

※放流要注意
カムルチー(ライギョ)Channa argus:北海道,長崎,山口,愛知,滋賀,群馬では移植禁止(各道県漁業調整規則または内水面漁業調整規則).英国では保有・放流禁止,米国では輸入・移植禁止(国立環境研究所より)。
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繁殖に成功!静岡市麻機産のホトケドジョウを守ろう!

静岡大学教育学部加藤研究室では、絶滅危惧種ホトケドジョウLefua echigoniaの保全を行っています。室内水槽で飼育して観察することで、絶滅が危惧される本種の繁殖様式が徐々に明らかになってきました。
静岡市麻機産ホトケドジョウLefua echigonia繁殖.加藤英明HideakiKato1
繁殖期になるとオスは縄張りを形成します。そして、その縄張りにメスが進入して卵を産むと放精します。縄張りに複数のメスが訪問する“訪問型複婚”の繁殖様式です。

静岡市麻機産ホトケドジョウLefua echigonia繁殖.加藤英明HideakiKato2.jpg
卵は36時間ほどで孵化します。

静岡市麻機産ホトケドジョウLefua echigonia繁殖.加藤英明HideakiKato3.jpg

卵黄が完全に吸収されると泳ぎだし、稚魚は餌を食べ始めると、どんどん成長します。

静岡市の巴川流域では、数か所でホトケドジョウの生息が確認されています。過去には麻機地域に広く生息していたようですが、開発により生息地が失われ、現在わずかに残った場所に少数が生息しています。
これらを研究室で繁殖させることは可能ですが、麻機地域には野生に戻す環境が十分にありません。まずは、ホトケドジョウが棲むことのできる環境を取り戻す必要があります。

※産地が異なる個体、産地が分からない個体の放流は禁物です。観賞用に販売されているホトケドジョウを野外に放さないようにしましょう。
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ホトケドジョウを守ろう!

ホトケドジョウLefua echigonia.静岡市.jpg

静岡県には、ホトケドジョウが西部から東部まで広く分布しています(伊豆半島を除く)。
体は太くて短く、全長は7cmほど。澄んだ水で流れの緩やかな川に、ひっそりと暮らしています。

ホトケドジョウLefua echigonia静岡市2.jpg開発による地域絶滅が各地で進行している現在、残っている個体群を大切に守る必要があります。
静岡市の生息地は極わずか!

ホトケドジョウは、底に枯葉が堆積するような環境を好みます。
水路のコンクリート化は要注意です!



ホトケドジョウ
静岡県レッドリスト:絶滅危惧U類(Vulnerable, VU)
          絶滅の危険が増大している種
環境省レッドリスト:絶滅危惧TB類(Endangered, EN)
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