魅力的なコイたちと正しく付き合うために!外来種問題!

コイCyprinus carpio2.外来種.加藤英明HideakiKato.jpg

コイCyprinus carpio.外来種.加藤英明HideakiKato.jpg

コイCyprinus carpioは、中央アジアから東アジアに広く分布し、地域によって遺伝子が異なります(遺伝的地域特異性)。かつて日本の野外に生息するコイは、全て大陸から人為的に持ち込まれた外来種と扱われていましたが、近年、琵琶湖などで遺伝的に大きく異なる集団の存在が明らかになり、これらは日本に固有のものと推測されています。今後、ノゴイと呼ばれる在来型が、日本の固有種や固有亜種として記載される可能性も!

しかし、大陸から持ち込まれた外来の個体や人為的に改変された個体が数多く野外に放流された経緯があり、交雑による遺伝子汚染が危惧されています。今後、日本における在来コイ類の保全のため、さらには分化の歴史を紐解くためにも、早急に交雑を阻止しなければなりません。

人家周辺のコイは全て外来由来であり、在来型が存在する琵琶湖等では交雑が進行していると考えられます。品種改良された個体は美しくてとても魅力的ですが、人為的に遺伝子を偏らせた改変動物であり、野外に入り込むと在来型と交雑して遺伝子汚染を引き起こすので要注意です。


美しく優雅なコイは、丈夫で人慣れすることから、愛玩用に好まれます。飼育者は野外に放さないよう、最後まで責任を持って飼育しましょう!


<好ましいコイの取り扱い>
・個人、業としての飼養
逸脱防止処置が施された状態で飼養(水槽、池、生簀)。

・公共の池
閉鎖的環境の場合、行政の方針に従い飼養または防除。
※愛玩や観賞、除草の目的で飼養する場合、個体数が増えすぎないように間引き等の管理が必要です。また、ホタルやトンボなどの水生昆虫、メダカやドジョウなどの魚類やヌマエビやテナガエビなどの甲殻類等が避難できる場所を確保することが大切です(生態系保全を目的とする場所では、全て取り除くことが好ましい)。

飼養するコイが放置されて増殖してしまうと…
→餌不足や水質悪化により、コイにとって適切な飼養環境ではなくなります。また、水生生物の過度な捕食により生態系に与える影響が大きくなります。例)トンボが飛来して産卵しても全て捕食されてしまう(池が在来種トラップに...)。
※在来型のコイでも、異なる地域に放すことは遺伝的地域特異性を損なわせることにつながります(国内移入外来生物として防除対象)。

・河川、湖沼
自然分布のものを除き、防除。琵琶湖の他、四万十川など地域固有の遺伝子が存在すると推測される地域では、移入個体とそれらとの交雑と思われる個体を積極的に取り除く必要があります。
※現在、純粋な在来型のコイは、琵琶湖の深層部でのみ確認されています。

魅力的なコイたちと末永く付き合うため、“保全目的のコイ”と“観賞用・食用等のコイ”が混生しない環境づくりが大切です!


※公園の池等、公共施設のコイは、行政の許可を得なければ捕獲できません。また、水産資源として扱われている地域では、捕獲禁止期間やサイズ制限等があります(各県の内水面漁業調整規則を参考に)。
食用としてコイを求める場合は、専門の業者やお店で購入しましょう。
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沖縄に定着した外来種のナマズ!可愛い姿のクララ!

クララ.Clarias batrachus.加藤英明.静岡大学1.jpg
クララの幼魚

東南アジア原産のナマズ、クララ(学名:Clarias batrachus)。全長は50cmほど。最大の特徴は、白と黒のまだら模様!しかし、これは人為的に改変された改良個体。野生個体は日本のナマズの体色に似ています。

野生個体(黒褐色)英名ウォーキングキャット
改良個体
・クララ(白色)
・マーブルクララ(斑模様)

ヒゲは日本のナマズ(4本)よりも多くて、4対8本。頭部は平たく、背びれは長い。下顎よりも上顎が出ていることで、日本のナマズと見分けることができます。

品種改良されたウォーキングキャットは、古くから日本に観賞用に輸入され、クララという愛称で流通しています。とても丈夫で飼いやすく、飼い主が近づくと寄ってくる。そんな愛くるしい姿に、愛好家も多いようです。

東南アジアに生息するナマズのため、寒い日本の野外で越冬することはできません。しかし、温暖な沖縄では冬を越すことが可能で、野外に放されたものが定着しています。※本州でも温泉地で野外越冬可能

食性は雑食で、魚類や水生昆虫を主に食べます。また、繁殖力は強く、雌雄は産卵期に縄張りを持ち、巣穴の中で産卵します。その数10000個以上!爆発的に増える前に、野外から取り除くことが必要です。現在、沖縄本島では、中部から南部の河川や池で確認されています(野外確認は2000年)。まだ局所的ですが、クララの英名はウォーキングキャットフィッシュ。胸鰭の硬い棘を使って陸地を移動するので要注意!島全体に拡散する前に対策を!

飼育者は野外に放さない・逃げられないように気をつけましょう!

クララは、世界の侵略的外来種ワースト100に選定されています。また、日本でも外来生物法において、総合対策外来種(旧要注意外来種)に指定されています。しかし、生息域外に拡散させたのは人間!
責任を持って私たちの手で取り除きましょう!
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鉄腕ダッシュ!クララ、加藤英明2017年12月17日放送

クララ.Clarias batrachus.加藤英明.静岡大学.jpg

ウォーキングキャットフィッシュは“クララ”と呼ばれ、観賞用に流通しています。
野外に侵入すると、警戒心の強さから取り除くことが困難。そんなクララが、沖縄の川で繁殖中!

可愛い顔をしていますが、大きな口で何でも食べてしまう大食ナマズのクララを放置すると…
沖縄の生態系が崩壊してしまします。

クララの繁殖力は強く、生後1年で全長20cmほどになると性成熟に達します。
3年で全長30pに成長すると、産卵数は多く15000個ほどに!

そんな厄介な外来生物の捕獲に挑む!

※素手で掴むと胸鰭の太くて鋭い棘で刺されます。その後に大きく腫れる場合もあるので、取り扱いには注意しましょう。

捕獲されたクララは、一流のシェフによっておいしい料理に仕上げられました。
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外来生物アリゲーターガー捕獲!

アリゲーターガーAtractosteus spatula捕獲.加藤英明.静岡大学.jpg

アリゲーターガーは、北米原産の古代魚。“ガー“は槍を意味し、大きな口はワニに似る。全長3mを超えることもある巨大肉食魚は、まさに”槍型のワニ魚“。力強く水中を突き進むその姿は、発射されたミサイルのようです。

体表を覆うひし形の鱗はエナメル質で、硬い。日本の野外において、成体は無敵。50年以上とも言われる長い寿命を全うするまで、日本の生物を食べ続けます。メスは性成熟に10年(1.5m)、オスは6年ほど(1m)と考えられ、日本の野外で越冬可能な本種は、野外で繁殖する恐れがあります。

アリゲーターガーは警戒心が強く、危険を察知すると植物の隙間に隠れます。罠を仕掛けても、わずかな隙間を見つけてすり抜けます。効果的な捕獲方法は、池の水抜き。しかし、水が抜けない河川での捕獲は困難です。緊急SOS池の水ぜんぶ抜く大作戦第5弾、テレビ東京(2017年11月26日放送)

報道
アリゲーターガーなどを捕獲. 広報ねやがわ(平成29年12月号)など

※ガー類は2018年2月に特定外来生物に指定予定。2018年4月に輸入や飼養等の規制開始。規制開始後、6ヶ月以内に飼養個体の飼養申請が必要です。ただし、飼養許可が得られても繁殖させることは禁止されています。雌雄を分けて飼育しましょう。
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鉄腕ダッシュ!タウナギ、加藤英明2017年6月25日放送

タウナギMonopterus albus.加藤英明HideakiKato.静岡大学2.jpg

息継ぎのために顔をあげるタウナギ。タウナギは大きくなるとオスは縄張りを持ちます。一方、小柄な個体は住処を共有することがあります。一斉に顔を出し、ポンピングする様子は…好きな人にはたまりません。
この行動は口腔内の粘膜を介して酸素を取り入れるもので、タウナギは口の中に空気を蓄え、それを定期的に入れ替えます。

タウナギは、ウナギと異なりエラ蓋がありません。胸鰭も腹鰭も。さらには浮き袋も。
眼は小さく、視力が悪いためか、目の前に近づくものには何にでも咬みつきます。
大食なため、野外に入り込んで繁殖してしまうと、生態系に悪影響が。もちろん水田の水を抜いたりする農業被害も発生します!

タウナギの赤血球は大きく、血中の密度も高いため、料理の際に濃い血液が流れ出ます。この血は低酸素状態に耐えるもので、真夏の水たまりや水路など、高温で溶存酸素が低い状態でも生き抜くことができます。本種は低温にも耐えられ、日本の寒い冬は湿った環境に入り込み越冬します。
※水温が下がれば代謝は下がるので、息継ぎなしで水中に留まります。

そんなタウナギを野外で捕獲し、プロの料理人が最高の料理に仕上げました!
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