森の妖精!シロヘラコウモリ!白色はカムフラージュの役割

シロヘラコウモリEctophylla alba.加藤英明1.jpg
シロヘラコウモリ(Ectophylla alba

シロヘラコウモリは、小さなコウモリで、体長は4cmで体重は5gほど。
果実を中心とする雑食性です。
中央アメリカのホンジュラスからパナマに分布します。
新種として記載されたのは1892年ですが、その後1898 年に目撃されてから次の発見までに60年以上かかった幻のコウモリです。

シロへラコウモリEctophylla alba.加藤英明2.jpg
カリブ海側の低地の熱帯雨林に暮らし、大きな葉の植物”ヘリコニア”の葉を住処とします。葉脈を咬んで折ることで、雨や風、天敵のヘビから身を守る天然のテントを作ります。
シロヘラコウモリを探すときは、高さ2m以下を探しましょう。

シロヘラコウモリEctophylla alba.加藤英明3.jpg
競り出た大きな葉をよーく見て、不自然に曲がっている葉があったら、そっと覗いてみてください。白くてもふもふしたシロヘラコウモリに出会えるかもしれません。

葉でテントを作るコウモリは22種いますので、他の種類のコウモリに出会うこともあるでしょう。

シロヘラコウモリは、住処の葉を1週間ほど使用したら、異なる場所に移動します。新しい住処は10〜20m範囲に作られることが多いので、古い住処など痕跡を見つけたら、周囲を根気よく探してみてください。

コウモリの仲間は世界に1300種ほど存在し、体が白いものは6種ほど。
その中でもシロヘラコウモリは最も真っ白で、美しいコウモリです。

シロヘラコウモリEctophylla alba.加藤英明4.jpg
ちなみに、白い体はカムフラージュの役割。
太陽の光が葉に当たっても、葉の上からも下からも姿を隠すことができます。黒い体だと丸見えに…。


シロヘラコウモリEctophylla alba.加藤英明5.jpg
シロヘラコウモリは静かな森にひっそりと暮らします。
見つけても、触ったり、大きな声を出したりしないようにしましょう!
※撮影時、光量は必要最低に!


シロヘラコウモリEctophylla alba.加藤英明6.jpg
Youtube
森の妖精!シロヘラコウモリの見つけ方!


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伊豆半島に定着したハリネズミの捕獲に効果的!

訓練犬とアムールハリネズミE. amurensis .加藤英明HideakiKato.静岡大学.jpg

伊豆半島の伊東市周辺には、特定外来生物のアムールハリネズミが生息しています。食性は昆虫を好む肉食で、身近な虫やミミズなどを大量に捕食します。

そんなハリネズミを野外から取り除くために罠が使用されますが、新しい罠や短期の設置では警戒されて罠に入りません。餌となる生き物が豊富な場所では、さらに難しくなります。
目視による素手の捕獲も可能ですが、藪の中では困難。危険を察知すると動かずにじっとするハリネズミの姿はなかなか見つけられません。

そこで頼りになるのは、イヌの嗅覚!
優秀な訓練犬に、許可を得て研究室で飼育しているアムールハリネズミの床在や糞を嗅がせて探索。
ハリネズミの生息場所周辺にやってくると…イヌが何かに反応!ハリネズミが歩いた時に残した“臭い”を感知した様子。さらに周辺を歩いて茂みに潜むハリネズミを見つけ出しました!
訓練犬によるアムールハリネズミの探索は、今後、防除において期待されます。

可愛いハリネズミの仲間ですが、野外に定着すると日本の生態系を崩すため、駆除対象の動物扱いとなります。第2のアムールハリネズミにならないように、ペットの別種ヨツユビハリネズミやその他の小動物が逃げ出さないように、しっかり管理しましょう。もちろん、動物の遺棄は犯罪です。

ペットのヨツユビハリネズミが逃げた場合は、ワンちゃんに探してもらうと見つかるかも!?
※日常的な訓練が必要です。

2017年9月24日、全国SOS駆除の達人19:58〜にて捕獲調査の様子が放送されました。
注意:アムールハリネズミは、許可無く捕獲できません。また、移動や飼育も規制されています。
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闇夜に動く野生動物!

Nyctereutes procyonoides .jpg

アライグマを狙いましたが...タヌキでした(静岡市)
赤外線カメラにて撮影。夜中の2時。
私たちが住む近くにも野生動物は現れます!
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ドブネズミじゃないよ!静岡県準絶滅危惧のカヤネズミだよ!

カヤネズミMicromys minutus.加藤英明HideakiKato.jpg
畑や庭で作業をしていると、小さなネズミに出会うことがあります。時にはバケツの中に落ちていることも…
そんな時、ドブネズミの子どもと間違えて殺さないようにしましょう。

カヤネズミは在来の生物です。日本で最も小さなネズミの仲間で、体長は5pほどで体重は約7g。
植物の種子や昆虫を餌とします。人家には入らず、野山に暮らすネズミです。
カヤネズミに出会ったら、そっと見守ってあげましょう!


ドブネズミとの違いは、長い尾。体長よりも長い尾をもちます。野外で出会うネズミで、しっぽが長く、硬貨ほどの大きさで動きの素早い種類を見かけたら、害のないネズミと判断しましょう。

※野外のカヤネズミを許可なく殺したり、捕獲・飼育したりすることはできません。野生動物には病気を媒介する寄生虫が存在するため、やむを得ない場合でも素手で触れないようにしましょう。

カヤネズミMicromys minutus
静岡県レッドリスト:準絶滅危惧(NT)
現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種
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静岡県の新しい外来種!?アフリカ原産のヤマネ!

アフリカヤマネ.加藤英明Hideaki Kato.jpg

アフリカヤマネ。体の大きさは5pほど。小型でかわいい動物ですが、“購入後、翌朝に鳥かごを覗くと姿がない…”ということがよくあります。そんなアフリカヤマネが静岡の自然の中に逃げ出す事件がしばしば…。まだ野外で目撃されていませんが、きっとどこかに潜んでいることでしょう。

アフリカヤマネ2.加藤英明HideakiKato.jpg普通の鳥かごでは隙間が大きく、アフリカヤマネは簡単にすり抜けてしまいます。飼育する時には、必ず目の細かい網状のケージを使用してください。また、脱走された場合は家の窓を全て閉め、箱罠に果物を入れて捕獲を試みてください。
(ミカンを食べる手乗りヤマネ)

飼育上の注意
アフリカヤマネは暑さに弱い動物です。水槽飼育では、夏場にクーラーを使用しましょう。風通しが悪いと蒸れて死んでしまいます。
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