フィールド調査から知る世界
セーシェル諸島のゾウガメ!
アフリカ大陸から1300km離れたインド洋に、セーシェルという国があります。セーシェルには、青い海と白い砂浜に囲まれた大小115の島々があり、なんと巨大なゾウガメが生息しています。なぜインド洋の島にもゾウガメがいるのだろうか。どのような生活をしているのだろうか。私はゾウガメを探すために、セーシェルに行きました。小型船で島々を渡ってゾウガメの姿を探していると、海水が浸るマングローブ森で大きなゾウガメに出会いました。
突き出た呼吸根を避けるように上手に歩いて餌を探しているのは、アルダブラゾウガメでした。鼻を植物の葉に近づけると、においをかいで何かを確認し、好みの葉を選んで食べています。アルダブラゾウガメは、カニの抜け殻や魚の死肉なども食べてしまいます。
セーシェルには、セーシェルセマルゾウガメもすんでいます。1840年頃までには絶滅してしまったと考えられていましたが、近年再発見されました。セーシェルセマルゾウガメは、アルダブラゾウガメと遺伝的にとても近い関係です。きっと、数万年の間、異なる島で暮らして進化したのでしょう。
ゾウガメの祖先は、アフリカ大陸にすんでいたと考えられます。アフリカのセーシェルにすむゾウガメも、南アメリカのガラパゴスのゾウガメも、過去におこった洪水や津波で海に流されてしまうことがありました。そして、漂着した島で独自の進化を遂げたのです。
アルダブラゾウガメ
セーシェル諸島には15万頭ほどが生息しています。泳ぐことはできませんが、海に落ちても浮かぶので、そのまま流されて違う島にたどり着くことがあります。
(図鑑MOVE「は虫類・両生類」:32ページ)
セーシェルセマルゾウガメ
世界最大のゾウガメです。甲羅の幅が広くて高さがあり、頭の幅は広くて平たいです。主に岩でできた島にすみ、雨が降ると活発に動き出します。
(図鑑MOVE「は虫類・両生類」:34ページ)