アンティルイグアナと外来生物グリーンイグアナの交雑個体。頬から顎にかけて不揃いな形の鱗が並び、胸垂前方の棘状の鱗が癒合する。交雑個体はグリーンイグアナともアンティルイグアナとも交雑し、交雑個体同士でも繁殖すると考えられている。
人為的に持ち込まれた生物による遺伝子浸透は、種の消失につながる。交雑が確認された地域では、移入と推測される種と交雑個体を取り除く必要がある。今後カリブ地域では、グリーンイグアナのみならず交雑個体も潜在的な脅威とみなし、早急に防除する必要があるだろう。
著書
グアドループの自然と動物〜遺伝子汚染と種の消失〜. 2015. ビバリウムガイド, 70: 77-81. 加藤英明.
(概要:遺伝子汚染によりカリブ海の島々から姿を消しているアンティルイグアナ(Iguana delicatissima). 交雑を引き起こす外来生物グリーンイグアナ(I. iguana)の移入と拡散の経緯、汚染の進行状況、その他、グアドループアライグマ(Procyon minor)など。