東アジアに分布するカジカの仲間で、中国から朝鮮半島南部の沿岸部や河川、日本では九州の有明海に繋がる河川に生息しています。
海で繁殖した個体は、川に移動して暮らし、成長すると繁殖のために川を下ります。
このような降河型の生活はウナギに似ていますが、驚くことに、ヤマノカミの寿命はわずか1年。親魚は産卵後に死んでしまいます。
そのため、繁殖できない場合は、そこで命のリレーが途絶えることに…。ヤマノカミは、環境の変化や乱獲の影響を強く受ける、とてもデリケートな魚です。
冬の間は生息地の河川から姿を消すヤマノカミですが、春になると再び姿を現します。そんな不思議な生態と菱形の美しい姿が由来となったか定かではありませんが、福岡県筑後地方では古くからヤマノカミと呼ばれています。
<ヤマノカミ>
カサゴ目カジカ科ヤマノカミ属、最大全長15cm、体重350g
体形は菱形、上顎は下顎よりも突出し、鰓に橙色の模様がある。体表に鱗は無い。絶滅危惧IB類 (EN)(環境省)
中国では、水質汚染やダム建設等の影響で、1970年代には捕獲が困難な状態になり、1980年代にはほとんど姿を見ることができなくなりました。1988年に第2級国家保護水生動物に指定され、保護されています。
生活史:冬季1-3月に、河口の貝類の死殻等に直径2oほどで橙色の卵を卵塊で産み、オスは孵化するまで卵を守ります。孵化した仔魚は全長7mmほどで、周辺で小さなエビや魚などを食べて成長します。春になると全長3cmほどに成長し、稚魚たちは川に移動します。その後、ヤマノカミは、冬までに全長15pほどに成長すると、川を下り繁殖します。
ヤマノカミは絶滅危惧種です。飼育が困難なため、捕獲しても持ち帰らず、その場で観察して放しましょう。
貴重な生き物たちを末永く残したいですね!
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みんなで守ろう!ヤマノカミ!