霞ヶ浦で巨大なナマズ類が捕獲されています。
その正体は、アメリカ原産の外来種、アメリカナマズIctalurus punctatus。最大130cmを超える大型の肉食魚です。
アメリカナマズは、1971年にカリフォルニアから持ち込まれ、その後、各地に放されて拡散しました。霞ヶ浦では、1981年頃に野外で捕獲されるようになり、その後増殖。テナガエビ類やワカサギ、ハゼ類などを捕食し、生態系への影響が危惧されています。
アメリカナマズは、生後約3年、全長35pを超える頃に性成熟に達します。メスは最大35000個の卵を巣穴や倒木の下に産卵し、オスは卵が孵化するまで1週間ほど守り、胸鰭で新鮮な水を供給して卵を育てます。また、孵化後、仔魚が卵黄を吸収されて泳げるようになるまで、さらに数日間、子供たちを守ります。
アメリカナマズの雌雄(写真上,メス; 写真下, オス)。オスの頭部は幅広く、体色は灰色で、生殖突起は後方に伸びる。メスは頭部が小さく、体色は金色を帯びる傾向がある。
写真(左オス, 右メス)。
アメリカナマズの大好物、ワカサギ。産卵期の冬季、ワカサギは夕方に河川を遡上し、日の出前に霞ヶ浦に戻る。そんなワカサギを狙って、アメリカナマズは河川を遡り爆食。解剖すると胃の中から大漁のワカサギが…。
冬季、深みでじっとしているアメリカナマズの採餌量は減少します。水温が15℃を超える頃、アメリカナマズは活発に動き出し、夜間に川底を泳ぎ回りながら小魚やエビなどを捕食します。※成長した個体は魚を中心に捕食します。
繁殖前の冬に捕獲。刺し網は採餌量が少ない冬に効果的
現在、アメリカナマズは、利根川流域以外にも琵琶湖水系などで繁殖が確認されています。本種は耐塩性があり、大雨の際には、海に流れ出たものが近隣の川に移動して分布を拡大するので要注意。
日本のみならず、世界30カ国を超える国で定着し、問題となっています。
※特定外来生物に指定されており、許可なく生きた状態で移動することは禁止されています。
外来生物は、私たちの生活を支えてくれる大切な生き物です。正しく管理し、野外に入らないように気を付けましょう。
野外に入り込んだアメリカナマズは、最後の1匹まで諦めずに捕獲する!
Yotube 生物ハンター加藤英明【公式】かとチャン
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アメリカナマズ捕獲作戦!
絶賛編集中!
霞ケ浦周辺の河川では、水門の設置や規定量を超える殺虫剤の使用など、生態系に与える問題は多々あります。
今後の課題です!