拡散させない!外来種のウチダザリガニ!

ウチダザリガニPacifastacus leniusculus trowbridgii.加藤英明.jpg


ウチダザリガニは、北アメリカ原産の外来種です。日本では、北海道や福島県、長野県などに定着しています。
体長は15pで、第一胸脚のはさみのつけ根に青白い模様があるのが特徴です。

本種の食性は雑食で、水草を始め、ヤゴなどの水生昆虫やメダカやドジョウなどの魚類、甲殻類など様々な水生生物を捕食します。緑藻類をよく食べるため、マリモへの影響も危惧されます。餌となる水生生物が少なくなると、共食いもします。

メスは繁殖期の秋に性フェロモンを分泌し、オスの交尾行動を引き起こします。産卵数は200個ほど(大きな個体は500個以上)。年に1回産卵します。卵は冬の間にメスの腹脚で守られ、翌年の初夏に孵化します。成長は餌の量と水温により異なりますが、2年ほどで性成熟に達します。

ウチダザリガニは、1926年に初めて日本に試験導入され、その後に各地に持ち込まれました。過去には観賞用に流通して飼育されることもありましたが、冷水性の環境を好む為、高温な状態が続く室内での長期飼養は困難でした。しかし、野外の水辺では多くの場所で生存が可能であり、今後も本種の侵入と定着が危惧されます。


<特定外来生物>
ウチダザリガニは、2006年に特定外来生物に指定され、生きた状態での運搬・飼育等が禁止されています。
意図的・非意図的な移動により国内各地に定着する恐れがありますので、水草や砂利等、水辺のものを移動する際には、ウチダザリガニの幼生(稚ザリ)が混入していないかよく確認しましょう。


マリモを食べるウチダザリガニPacifastacus leniusculus trowbridgii.加藤英明.jpg

観賞用マリモを食べるウチダザリガニ

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