身近な水辺の生き物であるアメリカザリガニの原産地は、アメリカ南東部ミシシッピ川流域。日本には1927年にアメリカから持ち込まれ、野外に侵入したものが繁殖し、北海道から沖縄まで全国に広がりました。
古くから身近にいるため、日本の生物と思っている人も多いようですが、本種は外来種であり、野外から取り除く必要があります。大切に飼育をすれば、産卵し、体についた子どもの世話をする姿を観察することができます。しかし…増えた個体を野外に放すことは禁物です。
子ザリガニも、最後まで責任を持って飼育しましょう!
アメリカザリガニは、雑食性で、植物から甲殻類、ヤゴやホタル幼虫などの昆虫、メダカやドジョウなど魚類、イモリやカエルなどの両生類を捕食します。時には、子ガメも!
本種が侵入した環境は、徐々に悪くなり、ホタルやトンボが飛ばない水場になります。
愛玩用の生物は、自然に放さない!
野外の守るべき生き物と、室内で大切に飼育する生き物をしっかり区別して、正しく生き物と付き合いましょう!
アメリカザリガニの体長は15pほど。日本の野外では、水温が12℃以下になると成長が止まり、5℃以下では冬眠します。子ザリガニは1年半ほどで性成熟に達して、体の小さなメスは一度に50〜100個ほどの卵を産みます。寿命は5年ほどで、体長10pを超えるメスは一度に500個ほどの卵を産みます。メスは卵と孵化した子どもをお腹に1カ月間、抱えます。
※若い個体は淡褐色で、はさみも小さく、日本に固有のニホンザリガニに間違えられることが多々あります。
ニホンザリガニは、北日本の水温20℃以下の冷たくきれいな水に生息し、主に水中に溜まった落ち葉を食べて成長します。