変態直後のアフリカツメガエル(野外採集個体)
アフリカツメガエルは、アフリカ大陸南部地域を原産とする水棲のカエルです。
体長は12pほど。可愛らしい顔と動きのため、全国各地で数多くが観賞用に飼育されています。
前脚を器用に使って食べ物を口に運び込む姿に、きっと多くの人が癒されていることでしょう。
しかし、本種の寿命は15年以上!さらに、水槽の蓋が開いていれば脱走します!
日本の他のカエル類とは異なり、“一生を水中で暮らす”と言われるアフリカツメガエルですが、野外での飼育では要注意。雨天の日にはよく脱走し、近くの排水溝に逃げ込むこともあるでしょう。それらが池や川に入り込むと…野外で繁殖してしまいます。
日本の野外では、暖かくなる6月頃に産卵。直径1.2 mmほどの大きさの卵は、2日で幼生(オタマジャクシ)になり、3か月ほどで変態してカエルの姿になります。そして、秋までに水生生物を食べ続けて太り、越冬後にさらに成長して性成熟に達すると、メスは一度に数百もの卵を産みます(野外では2年ほどで性成熟)。
本種は人に危害を加えることはなく、猛毒もありません。しかし、水生生物を捕食することから、生態系が崩れて農業被害を引き起こす可能性があります。ヤゴが食べられてしまっては、害虫を食べてくれるトンボたちも姿を消してしまうでしょう…
見かけは可愛いらしいカエルですが、野外で生き抜く力はとても強い!池の水がなくなれば、泥底で8か月も餌無しで休眠し、さらに脱水を防ぐ機能により汽水域にも侵入することができる驚異の生命力の持ち主です。研究材料としても役立っているのですが、取り扱いには注意が必要です。
野外に放さない!逃げられない!
飼育者はしっかり管理をして、魅力的なアフリカツメガエルと長く付き合いましょう!